[開催レポート]8/15 対話の時間〜テーマ 「国家」〜
REWAの西浦です。
8/15(日)に、「対話の時間~テーマ 「国家」~」というタイトルで「国家」をテーマに哲学対話をするイベントを行いました。今回のテーマは終戦の日ということで、改めて国家について考えてみたいと思い設定しました。
時間になり皆さんが続々と集まってきてくれました。今回も初めましての方や常連さんなどいろいろなメンバーが参加してくれました。
まずは簡単に私の自己紹介とREWAについて紹介をさせていただきました。そして、哲学対話が初めての人もいるかもしれないので、哲学対話って何?を説明させていただいて、哲学対話をする上でのルールをお伝えしました。その後、参加者皆さんに自己紹介をしてもらいました、今回は「あなたは国家を感じたことがありますか?」という質問をさせていただき、それに答える形で一言ずついただきました。今回はテーマのためか海外からの参加者や海外生活をしていた方もおられて様々なお話が出てきました。
自己紹介のあとはテーマについての「問い」を皆さんから出していただいて、その中から対話のスタートになる「問い」を選びました。その中から選ばれた本日の問いは「愛国心はよいものか?」でした。
問いを出してもらった参加者からその問いを出した理由を教えてもらってから、対話がスタートしました。問いを出した人は、「日本では愛国心は、ネガティブな文脈で使われることが多く、よくないものというイメージが強い。しかし、某元総理大臣が”オリンピックに反対する人は反日的な人たち”と受け取れる発言をしたという記事がでていました、こんなときには愛国心を持つことが肯定的に使われるのだなーと感じた。」とのことで、愛国心はよいものなのかと考えてみたいと思ったということでした。
それを受けて、「愛国心には自分の文化を大切にするという良い面と、例えば外国に憎悪を抱くなどの悪い面があると思います」という発言があり、続いて「日本って愛国心について話しづらいですよね、それは愛国心と天皇が結びついて捉えられていると感じます」という考えが、作家の田辺聖子さんが残された戦争時の日記について読まれたエピソードとともに共有されました。そこから、海外からの参加者もいたこともあり”天皇”や”歴史”について、海外から見た場合にどのように見えるのかという問いかけがあり、様々な考えが述べられていきました。
そんな中「確かに愛国心と天皇が結びつけて捉えられる感覚はあるのですが、愛国心ってそもそも何を愛することなんでしょうか?私はそれは天皇ではないと思っているのですが。。。」という問いかけがありました。それに対して「日本人ですかね・・」などモヤモヤしながら皆さんから様々な発言があった後、「私は国に忠誠心があるとかではなく、例えば家族で温泉に行って、いいよねーって思える。そんなことから愛国心を感じます。」というとてもプライベートな経験と愛国心のつながりについての発言があり、つづいて「日本が好きだという感情はあります、ひいきめに感じるといいうか、海外の人に日本が批判されるとなんか反発してしまう。」ということや「私は情感が生まれる感じがあり、愛国心には故郷を愛することが根っこにあるのでは」「私も他国の人に自国を批判されたときに怒りの感情が湧き起こります、それは冷静ではいられない感覚です。」など、個人的なエピソードと交えて、愛国心と感情のつながりについて考えが交わされました。
そして「日本人が日本が好きという感情を持つことはいいことではないか。私もこれからの子どもたちにいいところを伝えていきたい」という発言があり、「確かに、自分の子どもには自分の国を好きと言ってほしい。そのためには伝える必要があり、まず自分の国を知っていく必要があると感じた。」という言葉が続き、愛国心を単に自国が好きというふうに捉えればそれ自体は望ましいのではという考えが出てきました。
ここで新たな疑問として、海外の参加者から「日本は選挙の投票率が低いと聞くが、それはなぜか?愛国心と関係があるのか?」という問いかけがありました。それに対して皆さんそれぞれの選挙に対する考えが共有されて、なぜ選挙に行かないのかを色々と考えながら、その中に愛国心は関連するのかと対話が進められました。少し視点が変わって面白い対話が続いている中で、お時間になりました。
最後に皆さんから最後の一言を発表してもらいました。
終戦の日に改めて国家について考えられてよかったという感想をいただきました。
そして記念撮影をして対話の時間は終了しました。
対話終了後、交流会として皆さんで自由にお話をしました。
その中では「愛国心という言葉が馴染まない、特に愛という言葉が日本に馴染まないのでは?」というお話から色々な歴史の話をしてみたり、対話の最後にあった「なぜ選挙に行かないのか?」という問題についてお話ししました。その中では「選挙って儀式みたいですよね」という発言があり、そこから選挙と宗教、民主主義について興味深いお話しをしました。
今回「国家」というテーマで対話をさせていただきました。あまり考えることのない国家というテーマについて話してみて、国家についてこんなに様々な捉え方があるのかと感じました。また、愛国心について考えてみて「自分の国を素直に愛せる」ことは素晴らしさに気付かされました。
一緒に対話をしていただいた皆様ありがとうございました。
~参加者の方からいただいた感想~
・あまり考えたこと無かったテーマでも、考える良い機会となりますので有難かったです。(Sさん)
・普段関わることのない方々のお話を聞くことができ良かったです。(Mさん)
・国家の発生、選挙、天皇制、政治、愛国心、等々どれも重いテーマでありながら、率直な意見を聞けてよかったです。(Fさん)
・愛国心のことを深く考えさせられた。(Iさん)