[開催レポート]6/1 対話の時間〜テーマ 「責任」〜
REWAの西浦です。
6/1(火)に、「対話の時間~テーマ 「責任」~」というタイトルで「責任」をテーマに哲学対話をするイベントを行いました。
時間になり皆さんが続々と集まってきてくれました。今回も初めましての方や他のイベントに参加いただいて対話の時間にも参加いただいた方など色々な方が参加されていました。
まずは簡単に私の自己紹介とREWAについて紹介をさせていただきました。
そして、哲学対話が初めての人もいるかもしれないので、哲学対話って何?を説明させていただいて、哲学対話をする上でのルールをお伝えしました。
その後、参加者皆さんに自己紹介をしてもらいました、今回は「最近見たり感じたりした責任」というお題で一言ずついただきました。
自己紹介のあとはテーマについての「問い」を皆さんから出していただいて、その中から対話のスタートになる「問い」を選びました。本日の問いは「責任をとるとはどういうことか?」に決定。
問いを出してもらった参加者からその問いを出した理由を教えてもらってから、対話がスタートしました。問いの理由は「政治家は辞職することで責任をとる人、その一方続けることで責任をとる人がいる。また昔だと武士は自分の命を絶つことで責任をとっていた。責任をとるってどう言うことだろう?」という疑問があるとのことでした。
それに対して、「責任をとると言うが結局問題は解決していないのに、責任をとるとはどういうことか?誰が満足することによって責任をとったことになるのか?」という疑問が出てきました。続いて「責任をとることは自分で決められること、また他者がいるから責任をとることが発生し、問題に対して勘弁してほしいという思いから責任をとるのでは」という「他者の必要性」とという視点も出てきました。次に「責任をとるためには責任をとるという意思が必要ではないか」という考えが殺人事件の加害者が償う気がないのに極刑を言い渡されたときに、責任がとれるといえるのか?という具体的な例とともに提起されました。また「責任をとったか、とれていないかは責任をとることによって失うものの大きさできまるのでは?」という考えもでてきました。それに対して、「命で責任をとることは正しいのか?」という問いかけがあり、責任をとるために必要なものに対して様々な考えが交わされました。
ここで、参加者から水俣病の裁判や戦争での責任についての話題提供があり、法律上の責任について話が進んでいき、発話のペースが上がってきたのですが、この内容だと専門的な内容が多すぎて参加できない方もいるかなと思ったので、「もうすこし身近にある責任について考えてみませんか?」と提案させていただきました。
すると、「責任をとらないとは自分の問題と考えていないということでは?」という問いかけがあり、「責任回避ってありますよね?」という話になりました。そこで「自分も責任回避をしたことがあります。それって自分の中では汚点なんですが、はっきりと覚えてないんです、なんでですかね?」という問いかけがあり、他の方からも「確かに事故した時とかも、人のせいにしちゃいますよね」など同じ経験を持っていることも明らかになり意外な方向に対話が進んでいきました。
そのような対話をしていくなかで「自己責任ってなに?」という問いかけがあり、それに対し「プライベートなことは好きにやっていいということでは?」という考えに対して「でも、コロナ禍で旅行などプライベートなことでも他の人に迷惑をかけてしまうかもしれない、この場合でも自己責任なのか?」という疑問がでてきて、自己責任と自由の関係について考えていきました。そして自由と責任という内容から「結婚」という話題になり、現在は自由に結婚できるがそれに対する責任は?という問いかけが出てきて、新たな展開になりそうなところでお時間になりました。
最後に皆さんから最後の一言を発表してもらいました。
そして記念撮影をして対話の時間は終了しました。
対話終了後、交流会として皆さんで自由にお話をしました。
その中で「哲学対話の進行役をする上で大切にしていることは?」という問いかけをいただいて、私以外にも進行役をされている方がいたのでその問いかけに対してそれぞれお答えしながら、哲学対話で得られるものなどについて意見交換をしました。また本日の責任というテーマについて、「責任という言葉についてネガティブに捉えていることが多いが、責任を全うすることで得られる成果もあり、ポジティブな捉え方もあるのではないのか?」という問いかけもいただき、なるほどーと納得させられました。
今回「責任」というテーマで対話をさせていただいて、「責任をとる」とは何なのか?ますますわからなくなりました。法律上の責任をとるということは出来るが、それで本当に責任をとったことになるのか?など、責任をとることに対していろんな視点で考えることができ、今後も考えていきたいテーマだなーと感じました。
今回は法律など専門的な話が多く、アンケートでも「難しい」や「実体験から離れていた」などのお声もありました。そういった声もいただきながらこの会がどういった対話の場になればいいかを考えていきたいと思っています。
一緒に対話をしていただいた皆様ありがとうございました。
~参加者の方からいただいた感想~
・率直な話ができた。(Eさん)
・新しい考えを得ることができた。(Mさん)
・もう少し、時間を延ばしてほしい。(Yさん)
・問い出しの口火を切るのは初めて体験しました。その話題によっても、対話の流れができるのかなぁと考えが深まりました。(Tさん)
・自分自身を幸せにする一番の責任とは何か。をこれからかんがえたい。(Iさん)
・実体験からの身近な話がすくなかった。(Fさん)