[開催レポート]6/13 対話の時間〜テーマ 「甘える」〜
REWAの西浦です。
6/13(日)に、「対話の時間~テーマ 「甘える」~」というタイトルで「甘える」をテーマに哲学対話をするイベントを行いました。今回のテーマは参加者アンケートでいただいたものを採用させていただきました。
時間になり皆さんが続々と集まってきてくれました。今回も初めましての方や他のイベントに参加いただいて対話の時間にも参加いただいた方など色々な方が参加されていました。
まずは簡単に私の自己紹介とREWAについて紹介をさせていただきました。
そして、哲学対話が初めての人もいるかもしれないので、哲学対話って何?を説明させていただいて、哲学対話をする上でのルールをお伝えしました。
その後、参加者皆さんに自己紹介をしてもらいました、今回は「最近甘えたり、甘えられたこと」というお題で一言ずついただきました。皆さんそれぞれ個性的な経験を語ってもらえました。
自己紹介のあとはテーマについての「問い」を皆さんから出していただいて、その中から対話のスタートになる「問い」を選びました。本日の問いは「甘えることはいけないことか?」に決定。
問いを出してもらった参加者からその問いを出した理由を教えてもらってから、対話がスタートしました。
問いを出した人は、「自分自身が甘えるのが苦手でもあり、昔の人ほど甘えるということに潜在的にネガティブなイメージがあると感じているのでこの問いを出した」ということでした。
それに対して「甘えることができるのはいい関係だからでは?」、「でも甘えと聞くとネガティブな印象です。」、「甘え上手っていますよね、その人は甘えられる人を見極め方が上手という一種のスキルがあるのでは?」などそれぞれの考えが共有されていき、次に「甘えるって環境や時代背景に影響されますよね」という意見を受けて「昔は居候がいたが、昔の方がとことん甘えられたのではないか?」という考えが出てきました。それに対して「昔は貧しかったので依存し合うことができたのでは?」や「居候という言葉があったと言うことは、それが必要だったのでは?」、「昔は依存し合うこともできたが、連帯責任でもあった、そう言う意味でもうまく甘えることを利用していたのでは?」と”甘える”ということに色々な視点から対話が交わされていき考えが深まるのを感じました。
ここで話題は子育てに関することに移り、「子どもを甘えさせる、甘えさせないの境界はどこなのか?」という問いが出てきて、それに対して様々な考えが交わされていき、「いざというときには甘えられる関係性が大切」や「境界としては”自立してほしい部分は甘やかさない”なのでは、しかし今まで日本では過度に甘やかさないという環境もあったのでは、そのために日本の子どもの自己肯定感は低いのでは?」という考えも出てくる中、「両親は優しかったが甘えさせてくれなかった」というご自身の経験についての発言があり、そこから「”甘える”はどんなものから成り立っているのか?」という問いが出てきました。それに対して、「ファミコン買ってくれなかった」「年齢、性別で変化する」や「定義できない」など意見が出てくる中、そもそも”甘える”ってなにという疑問が湧いてきました。そんな中、ある人が自身が「お言葉に甘えさせていただく」とご自身が言われた経験を共有してくれ、それに対して「お言葉に甘えさせていただくって嫌味がなくていい表現ですよね」という感想があり、さらに「それは甘えている本人が甘えていると自覚があるからでは?本当の甘えん坊は自覚がないのでは?」や「確かに甘えどころがわかっていればスキルですよね」という考えも交わされました。また「甘えるの構成要素として、そのことが本人がちょっと頑張ればできることが条件では?」というように何が”甘える”を構成しているのかについて対話が深まっていきました。
そこから「”甘える”は備わっているものか?培うものか?」という問いが出てきて「”甘える”は甘えることを行い、それが受け入れられ心地よい感情になったことにより身につけるものでは?」という考えが出てきて、そこから「さらに”甘える”ことで心地よくなった人は、”甘えられる”ことにも心地よさを感じるのでは?」、「”甘える”ことで自分も相手も心地よくなることが良い”甘える”ことなのでは?」、「ということは、甘えることは良い人間関係をつくることに役立つのでは?」とどんどん対話が進んでいき、”甘える”に関して考えが深まっているところでお時間になりました。
最後に皆さんから最後の一言を発表してもらいました。
そして記念撮影をして対話の時間は終了しました。
対話終了後、交流会として皆さんで自由にお話をしました。
その中で私が主催している「ボードゲーム会」についてのお話が及んで、その中で「なぜゲームをするのですか?」という問いをいただきました。その場にボードゲームに詳しい人がいたので、その方からは「楽しむ!」というお言葉をいただきました。そのあと「では、なぜ楽しむ必要があるのか」という問いを立てたら面白そうだなーと思いながら、いい時間になったのでお開きとさせていただきました。またどこかの機会で”楽しむの必要性”についてお話しできればなーと思っています。
今回「甘える」というテーマで対話をさせていただいて、正直「甘える」というテーマはピンときていませんでしたが、やってみると物凄く深いテーマだったことに私自身が気づかされました。私もどちらかと言えば甘えることは苦手なほうで、甘えることにネガティブなイメージを持っていましたが、対話をするなかで甘えることで成り立つ人間関係もあるんだということに気付かされた対話でした。
一緒に対話をしていただいた皆様ありがとうございました。
~参加者の方からいただいた感想~
・どんどん考えが深まっていき、脳が活性化されたから(Aさん)
・「甘える」テーマはいままでほとんどなく新鮮でかつ深かった。改めて新たに問いの入り口に立った。(Iさん)
・活発な意見がたくさん出て楽しかったですね。みなさん、正直に自分の思いを言っておられたと思います。放課後時間に普段聞けないようなお話をうかがうことができました。(Fさん)