[開催レポート]7/16 対話の時間〜テーマ 「満足」〜

REWAの西浦です。

7/16(金)に、「対話の時間~テーマ 「満足」~」というタイトルで「満足」をテーマに哲学対話をするイベントを行いました。今回のテーマは参加者アンケートでいただいたものから選ばせていただきました。私自身もここ数年よく考えるテーマなのでどんな対話になるか楽しみでした。

時間になり皆さんが続々と集まってきてくれました。今回も初めましての方や毎回参加いただいている方など色々な方が参加されていました。

まずは簡単に私の自己紹介とREWAについて紹介をさせていただきました。そして、哲学対話が初めての人もいるかもしれないので、哲学対話って何?を説明させていただいて、哲学対話をする上でのルールをお伝えしました。その後、参加者皆さんに自己紹介をしてもらいました、今回は「本日のあなた満足度は現時点で10点満点中何点?」という質問をさせていただき、それに答える形で一言ずついただきました。皆さん7、8点という回答が多かったですが、2点の人もいたり、またその理由も様々で聞いていて面白かったです。

自己紹介のあとはテーマについての「問い」を皆さんから出していただいて、その中から対話のスタートになる「問い」を選びました。その中から選ばれた本日の問いは「満足と幸福は同じことか?」でした。問いを出してもらった参加者からその問いを出した理由を教えてもらってから、対話がスタートしました。問いを出した人は、「ささいな満足が幸福をつくる」と感じているということで「満足と幸福は同じか?」と考えてみたかったということで、今回の問いを出していただいたようでした。

それを受けて「満足はなにかを達成することであり、達成した時に満足するが、すぐ消えてしまう、しかし幸福は消えない」という意見があり、「満足と幸福は違うのでは」という考えが出ました。ここで「満足と幸福の定義を考えなくてはいけない」ということが提起され、「満足はコップみたいなもので数値化でき上限値があるもの、一方幸福は上限値はないものと考えている。したがって満足と幸福はぞもそも考え方が違うのでは」という考えや「満足は渇望を満たすもの、幸福は渇望によるものではない、すなわち満たされていなくても幸福にはなれる」という考えも出てきて、”満足”と”幸福”とは何か?その違いは?ということに関して考えが深まっていきました。

それから「満足には上限があるのか?」という問い直しがあり、「欲望は次から次へと出てきてキリがない」という考えから「満足を求めることは悪いことなのか?」という問いが出てきました。それに対して「物質的な欲望は次から次へと出てくるよね。」や「仕事や勉強などで満足を求めて努力することを、向上心や知的好奇心と言い換えれば、良いものなのではないのか。」という考えから「私たちは満足を求めているか?それとも、幸福をもとめているのか?」という問いが出てきて、それに対して「幸福につながる満足をするべきではないか」という考えが出てきました。

そこから、「幸福になるためにも能力が必要なのでは?」という考えがでてきて、「不満を感じるときは人と比較していないか、例えば結婚相手を年収で評価するなど。。。」と具体的な例とともに提起され、さらに「幸福になるためには自分が何で幸福を感じるかを知っている必要があるのでは」という考えが出てきました。ここで具体的な経験として「私はアミューズメントパークなどで楽しめない、なぜかと考えていたが、最近”遊ばされている”からではという考えに至った」という具体例の提供があり、そこから”幸福”と”主体性”の関係も見えてきて、「自分で選択することが満足することの条件では?」という考えも出てきました。そして「そういう違和感を感じていても、気づかないフリをしていると鈍感になる気がする、違和感にするどく反応するためには感覚を鍛える必要がある」と、「”満足”や”幸福”を感じる能力は鍛えられるのでは」という考えもでてきました。

ここで「周りの人のために何かを行う、それは結局のところ自己満足なのではと感じることがある、皆さんはどう思いますか?」という問いかけがありました。それに対して「基本的には満足とは自己満足なのでは。」や「でも仕事では自己満足ではいけない、それは多くの人の利害があるので、一人の満足を優先できない状態にある。そのため自己の満足だけを追求することはできない」という考えが出てきました。

さらにその上で「満足を求めること、幸福を求めることの違いは?」という問いかけもあり、それに対しても様々な考えが共有され「満足を求めることはできるが、幸福を求めることはできない」や「幸福とは物事の結果としての状態では」「確かに幸福は降ってくるもの、だが幸福になるためには自助努力も必要である」という”満足”と”幸福”の違いについて前半とは違う角度からの対話がなされて、さらに考えが深まるのを感じました。これからますます面白い対話になりそうだなーと感じている中、お時間となりました。

最後に皆さんから最後の一言を発表してもらいました。

今回は感想を発表いただける方が多く「対話をしてみて、本日の満足度が上がりました!」や「満足してゆっくり眠れそうです」など対話前と比べてどう変化したかを伝えていただきました。そして記念撮影をして対話の時間は終了しました。

対話終了後、交流会として皆さんで自由にお話をしました。
最初の話題は本について、某著名な作者の本を読んで理解できるか?という話題提供から、おすすめの本を発表したりしました。また「哲学対話をした後の適度なモヤモヤが安眠にいいらしい」という医学的な知識なども共有されていました。

今回「満足」というテーマで対話をさせていただきました。問いが「満足」と「幸福」と難しい言葉を二つを含んでいるものでしたが、この二つを同時に考えてみるからこそ得られる発見もあり、哲学対話の奥深さを感じる対話でした。また、私が一つのワークショップの一つのテーマとして「安眠できる」ことを目標にしたいと考えていたので、今回の皆さんの感想を伺って嬉しい気持ちになりました。

一緒に対話をしていただいた皆様ありがとうございました。

~参加者の方からいただいた感想~

・テーマと参加者、ファシリさんが良かった(MIさん)

・色々なバックグラウンドの方とお話しができてとても楽しかったです。(Rさん)

・何よりも参加者同士、お互いを尊重し合う和やかな対話の会でした。又、内容が濃い話が展開されたと思います。(Tさん)

・初めは緊張していましたが、皆さんの話を聴きながら自分も考えるうちに、そのことに対して集中して楽しんで参加することができていました。(Mさん)

・日によって、メンバーによって、雰囲気が変わるのがいいところです。(Fさん)

・盛り上がった「テーマ」についてはパート2を行ってほしい。(Mさん)