[開催レポート]7/27 対話の時間〜テーマ 「平和」〜

REWAの西浦です。

7/27(火)に、「対話の時間~テーマ 「平和」~」というタイトルで「平和」をテーマに哲学対話をするイベントを行いました。今回のテーマはオリンピックが開催されているということで、平和をテーマに選びました。

時間になり皆さんが続々と集まってきてくれました。今回も初めましての方やよく参加いただいている方などいろいろなメンバーが参加してくれました。

まずは簡単に私の自己紹介とREWAについて紹介をさせていただきました。そして、哲学対話が初めての人もいるかもしれないので、哲学対話って何?を説明させていただいて、哲学対話をする上でのルールをお伝えしました。その後、参加者皆さんに自己紹介をしてもらいました、今回は「あなたの世界は平和ですか?」という質問をさせていただき、それに答える形で一言ずついただきました。皆さんそれぞれ自分の生活で平和だと感じる点、平和でないと感じる点を考えながら、様々な回答をしてくれました。平和ボケや戦争など平和に関するキーワードも色々と出てきました。

自己紹介のあとはテーマについての「問い」を皆さんから出していただいて、その中から対話のスタートになる「問い」を選びました。その中から選ばれた本日の問いは「平和の対価は何か?」でした。
問いを出してもらった参加者からその問いを出した理由を教えてもらってから、対話がスタートしました。問いを出した人は、「例えば、とても厳しい生活を強いられている人たちがいて、それを救うために武力介入するや武力を行使することがあったとき、平和を得るためにそれと矛盾する武力が対価として必要だと捉えることができる」と考えたときに、平和とはどのような対価によって成り立っているのかを考えてみたいということでした。

それを受けて、「日本が戦後75年過ぎて、今の日本は対価を払ったのか?そして、自衛隊やアメリカ軍などを考えると今の日本は平和なのか?」と日本を対象として平和と対価の関係について考えてみてはという提案がありました。また「平和のためには対価を払わなければならないのか?まっとうに生きているだけではダメなのか?」といった疑問も投げかけられました。それに対して「今の日本を考えると、軍を持てない、そのため外交的に優位になれない」、「今開催されているオリンピックですが、相当の対価を払って平和の祭典を開催していると思います。」などの意見がありました。また「平和の反対が戦争ではなくて、なにかぐちゃぐちゃな状態なのではないでしょうか?」や「それでは平和はある程度の秩序がある状態のことでは」という考えが共有されたことから「平和のための対価はその秩序をつくるために個人の自由を一定量失うことではないか」という考えも出てきました。このように国レベルの視点で平和について考えを深めていきました。

ここで、ある方から「貧しい家庭での、幸せな家庭もあれば、ギスギスとした家庭も見たことがある、そこにある差は暴力的なものが存在するかだった」という、家庭レベルでの平和についての言及がありました。そこから少しミクロな視点での平和について対話が行われ、そこから出た考えなどから国家レベルへと考えがリンクしていき、「平和のために一定の衣食住は必要だが、それ以上を求めてしまうと平和を壊してしまう。平和を守るためにはある種の品格が必要なのでは。」という話がでてきて、そして「暴力で裏付けられた平和は真の平和ではないのでは?」という考えも共有され、「では、完全な平和を作るためにはなにが必要なのか?」という問いが生まれました。それに対して「世界的な宗教や信仰」「自由民主主義」「世界観を変える必要があるのではないか」「多様なものを受け入れること」など様々な考えが出されました。平和に対して必要なものについて対話が深まっていく中、お時間になりました。

最後に皆さんから最後の一言を発表してもらいました。

「平和ってなんなのか?」「平和のための対価に気づいていないだけで、いつか払わなければならなくなるのでは。」など、平和についての新たな疑問が生まれてきているという一言をいただきました。
そして記念撮影をして対話の時間は終了しました。

対話終了後、交流会として皆さんで自由にお話をしました。
対話の中では、国家レベルでの平和が話されましたが、交流会では家庭レベルでの平和について話をしました。次々と共有される皆さんのエピソードを聞きながら「家庭の平和をつくるのも様々な工夫をしていて大変なことなんだなー」とみんなでワイワイとお話が盛り上がりました。

今回「平和」というテーマで対話をさせていただきました。問いの中で「対価」というキーワードも出てきたため、今まで考えもしなかったことまで考えるきっかけをもらい、改めて問いの持つパワーを感じました。また今回の対話では平和ボケというキーワードも出てきて、今ある平和の裏側にある対価について意識することの重要性を感じさせられました。
一緒に対話をしていただいた皆様ありがとうございました。

~参加者の方からいただいた感想~

・自分の視点では出てこないような意見や話が聞けた事がとても良かったです。(Tさん)

・多様な考えを引き出して下さって楽しいです。これからどんなテーマが語られるのかも楽しみです。(Fさん)

・平和の対価から取引、交渉、対話、国と国のつながりの大切さを改めて感じた。(Iさん)

・いろんなことが学べました。(SYさん)